製品・サービス情報
Ridom社製品 微生物ゲノム解析ソフトウェア
Ridom SeqSphere+
概要
Ridom SeqSphere+は、次世代シークエンサーやサンガー法シークエンサーを用いた、微生物ゲノム解析用のソフトウェアです。シークエンスデータのアセンブルやマッピングといった基本解析に加え、cgMLST法による病原菌のタイピング、遺伝型データによる系統樹作成などをサポートし、微生物ゲノム解析による疫学研究を強力に推進します。
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cgMLST法とは
従来、一般的な微生物のタイピング方法として、5~7個のハウスキーピング遺伝子を用いたMulti Locus Sequencing Typing法(MLST)、Pulse
Field Gel Electrophoresis法(PFGE)、Multi Locus VNTR Analysis法(MLVA)などが用いられてきました。しかし、広く採用されているにも関わらず、これらの手法は識別力が足りなかったり、また労働集約型であったり、標準化が難しいという欠点がありました。
次世代シークエンサーによる全ゲノムショットガンシークエンスと解析ソフトウェアにより、微生物学者は、数百~数千遺伝子の core genome
MLST法(cgMLST法)に基づいた、ゲノムワイドの遺伝子アリルデータをタイピングに用いることが可能になりました。cgMLSTスキーマは、生物種内で保存されているゲノムワイドの遺伝子セットからなり、そのアリル情報は、SNPまたはSNPコンカテーマーの代わりに命名規則(cgMSLT.org :Nomenclature Server)に用いられます。
右図は、微生物ゲノムタイピングの階層ピラミッドを示しており、下から上に行くほど識別力があがります。種特異的なMLST法は、過去のデータとの互換性の理由で未だに使用されており(PNAS 1998, 95:3140[PubMed ])、MLST Sequence Types 情報(ST)は、NGSデータから用意に取得可能です。適切なソフトウェアと多様な細菌スキーマを使用した
ribosomal MLST法も、将来重要な役割を示すと考えられます(Microbiology 2012, 158:1005[PubMed ])。この様な従来型のMLSTコンセプトに対し、cgMLST法を用いたゲノムワイドの遺伝子情報による細菌タイピングは、明らかに拡張されています(e.g.,
PLos One 2011, 6:e22751[PubMed ] and Nature Rev. Microbiol. 2013, 11:728[PubMed ])。
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特長
◆クライアント/サーバー構造
クライアント/サーバー構造では、ワークグループがイントラまたはインターネットを介して協力することを可能とします。複数のユーザーが、様々なコンピュータからデータにアクセスでき、またアクセス権なども設定を行うことが可能です。
◆DNAリシークエンシングエディター
Ridom SeqSphere+に組み込まれた SKESA, Velvet, SPAdes, BWA のアルゴリズムを使用し、次世代シークエンサーのシークエンスデータ(FASTQファイル)のアセンブルを行います。解析結果データは、ACE,
BAM, FASTA フォーマットでファイル出力が可能です。Mash Screenによるコンタミネーションチェックやホモポリマーに関連したInDelエラーの自動補正、Illuminaアダプターのトリミングとペアエンドライブラリーサイズの評価にも対応しています。次世代シークエンサーとサンガーシークエンサーの両方で、データの編集や解析が実行可能です。
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◆パイプラインによるシークエンス解析の自動化
次世代シークエンスデータに対して、クオリティートリミングやダウンサンプリング、アセンブルなどの一連の解析を自動で実行するパイプラインを作成し、多数のサンプルデータの一括処理が可能です。
◆細菌の特徴解析
ユーザー定義のQCパラメーターに従い、細菌のタイピングによる特徴解析を自動で実行します。全ゲノムシークエンスデータに基づいたコアゲノムとアクセサリーゲノムレベルからの、ゲノムワイドのアレルとSNP検出が実行され、その際に公共データベース、またはcgMLST
Target Definer で定義した遺伝型スキーマを用いることが可能です。NCBI AMRFinderを用いた薬剤耐性予測、Virulence
Factor Database(VFDB;医学的に重要な54菌種)による病原性プロファイリング解析に対応し、E.coliとL.monocytegenes、さらにSalmonella(SISTR)の血清型決定も可能です。また、MOB-suiteとMobileElementFinderによるプラスミドの再構築と同定にも対応します。
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◆データベース
統合されたデータベース内で、実験データや疫学データ、またはシークエンスデータの保存や検索、データやレポート出力を行うことができます。データフィールドは、EBI
European Nucleotide Archive(ENA)のメタデータ要求に準拠しており、新規のシークエンスデータと保存されているデータの比較、起こり得るアウトブレイクの自動クラスター警告、全データの管理やバックアップなどが可能です。NCBIの完全長/ドラフトゲノムやSequence
Read Archive(SRA)のシークエンスデータのダウンロードや、EBI ENAへのワンクリックでのシークエンスデータや疫学データの登録をも行うことも可能です。
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◆解析ツール
比較テーブル上より、統合された地理情報や epi-curve, Minimum Spanning Tree などの系統樹機能を用いて、地理、時間、人間といった様々な種類のデータのグラフ表示が可能です。各グラフは、それぞれがリンクしており、またSVGやEMFといったフォーマットでエクスポートが可能で、ツリーの色やトポロジー、比較テーブル上での選択サンプルなどのスナップショットを保存することもできます。流行株特異的PCRスクリーニングアッセイのデザインのために、グループ特異的SNPの検索なども可能です。
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◆新型コロナウイルスのゲノム解析
Ridom SeqSphere+では、細菌ゲノムに加え、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のゲノム解析にも対応しています。イルミナ Tiled
Amplicon のシークエンスデータを用いて、変異の検出や PANGO lineage に基づくウイルス型タイピング、GISAID登録用ファイルの作成などが可能です。
◆コミュニティー
承認されたタイピングスキーマは、オンラインでダウンロードが可能で、迅速かつ容易にシェアが可能です。
◆セキュリティー
すべてのデータは、送信時に暗号化(SSL)され、また cgMLST.org や ENA submission などでデータを公開する前に、地理や時間などのメタデータ情報は暗号化が可能です。
ロングリード解析用オプション
ロングリード解析用の追加オプションライセンス Long-read Data Analysis Bundle (LDAB) では、アセンブル済みのロングリードデータを使用したサンプル間のプラスミド伝播の検出と、オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ社シークエンサーの
FASTAQ ファイルを用いたアセンブル用パイプライン(Beta)が利用可能です。
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システム要求
◆SeqSphere+ サーバー:
SeqSphere+ Serverでは、全てのシークエンスデータやバックアップデータなどが保存されるため、大容量のHDが必要となります。
OS:
Microsoft Windows 10/11, Microsoft Windows Server 2012 64-bit or later
Linux 64-bit (with Python3)
RAM:
16-32GB
CPU:
Quad-core processor or better
HD:
2-4 TB
◆SeqSphere+ クライアント:
ほとんどの解析処理(アセンブルなど)は、SeqSphere+ クライアントで行うため、大容量のRAMが必要になります。
クライアント-サーバー間の接続には、デフォルトでポート番号:8064が用いられます。
また、高速なネットワーク接続(1GB Ethernetなど)が必要です。
OS:
Microsoft Windows 10/11, Windows Server 2019 or later
Linux 64-bit (tested on Ubuntu 18.04 or later)
RAM:
32GB
CPU:
Quad-core processor or better
HD:
50GB以上
Internet connection required
重要:SeqSphere+クライアントで実行する一部の機能は、LinuxまたはWindows Subsystem for Linux を導入した Windowsでのみ動作します。
トライアル版ライセンスの取得
弊社( )までお問合せください。
病原体ゲノム解析システム
フィルジェンでは、Ridom SeqSphere+ の一般的なデータ解析に対応したスペックを備えたコンピュータに、Ridom SeqSphere+
をプレインストールしたパッケージの販売を行っております。Ridom SeqSphere+ 本体や必要ツールのインストールおよび、アカウント設定などをお客様の方で行う必要がなく、導入後ただちにデータ解析を始めることができます。
Ridom SeqSphere+ のライセンスは任意のものを選択でき、Oxford Nanopore シークエンサー対応のオプションなども選択できます。
価格
*ライセンスの種類については、弊社までお問合せください。
商品名
ライセンスタイプ
税別価格
Cat.#
Ridom SeqShpere+
1年間ライセンス(2ユーザー)*
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1年間ライセンス(5ユーザー)**
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1年間ライセンス(30ユーザー)***
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3年間ライセンス(2ユーザー)*
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3年間ライセンス(30ユーザー)***
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Long-read Data Analysis Bundle
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SeqShpere+ クライアントより、2ユーザーまで同時にログインし、解析を実行できます。
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SeqSphere+ クライアントより、5ユーザーまで同時にログインし、解析を実行できます。
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SeqShpere+ クライアントより、30ユーザーまで同時にログインし、解析を実行できます。
技術資料・セミナー資料
フィルジェンWebセミナー「コアゲノムMLSTスキーマの構築」(2024/1/18)
フィルジェンWebセミナー「全ゲノムシークエンスによる病原微生物の分子疫学解析」(2022/12/26)
フィルジェンWebセミナー「新型コロナウイルスのNGS解析」(2021/7/7)