製品・サービス情報
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Hongjing Biotech 社 / FemtoPath
サンガーシークエンス関連試薬 がん関連変異遺伝子濃縮キット |
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HongJing Biotech 社(台湾)は、腫瘍学と血液学の分子診断に焦点を当てた独自のブランド「FemtoPath」を展開しています。NGSやサンガーシークエンスの検出能力向上のための、PCRによる変異型と野生型のDNA量の比率を逆転させる高感度な変異遺伝子濃縮技術を保有しています。ホルマリンパラフィン包埋(FFPE)、体液、血液、FNA、細胞ブロックなど、様々なサンプルタイプをご使用いただけます。
CloDiA PCR テクノロジー
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CloDiA PCR は、HongJing Biotech 社が持つ独自の技術です。幅広い挿入と削除の変異の増幅が可能な Unindel PCR
と、点変異・欠失・挿入変異の増幅に対応した Stuntmer PCR の2つの技術のどちらかが含まれており、0.1%の突然変異も非常に高い効率で増幅させることが出来ます。どちらの技術においても、野生型配列に相補的なブロッキング修飾を施したプライマーを充実させてPCRで増幅させることにより、野生型の増幅は抑制され、ブロッキングされていない変異型は濃縮されます。それにより、変異型と野生型の比率が逆転した
PCR 産物を得ることができます。これを用いてサンガーシークエンス・NGSを行うことにより、感度の高い変異解析の結果を得ることが可能です。
Stuntmer PCR
Stuntmer プライマーは、Rプライマー、コネクター、Eプライマーの3つの領域が5'→3'方向に配列されたプライマーです。Rプライマーの5'末端とEプライマーの3'末端付近には共通した領域があり(図の橙色の斜線)、2つのプライマーが同時に結合することなく、競合的にプライマーが結合します。Eプライマーが結合した場合、野生型・変異型両方で増幅が行われます。Rプライマーが変異スポットに結合すると、Eプライマーは結合されず、野生型は増幅されません。変異型の場合、Rプライマーは変異スポットには結合せず、Eプライマーが結合することによって変異型は増幅されます。 |
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Unindel PCR
Unindel-PCRは、フォワード、リバース、およびブロッキング プライマーで構成されています。フォワードプライマーは、変異スポットよりも上流の配列に適合されています。フォワードプライマーの5'末端とブロッキングプライマーの3'末端付近には共通した領域が存在しており(図の橙色の斜線)、ブロッキングプライマーが野生型の変異スポットに結合すると、フォワードプライマーは伸長できず、野生型は増幅されません。変異が起こると、ブロッキングプライマーは不安定な立体構造を形成し、変異スポットから外されます。 |
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【本製品を使用したPCRキットによって増幅された腫瘍サンプル】
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〈PCR前〉 野生型テンプレート 99%
〈PCR後〉 野生型の増幅は抑制され、変異型が増幅された |
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〈PCR前〉 野生型テンプレート 75%
〈PCR後〉 野生型の増幅は抑制され、変異型が増幅された |
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【参考文献】
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がん関連変異遺伝子濃縮キット
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【特長】
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1. |
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既知・未知のターゲットエクソン変異を増幅することで、サンガーシークエンスによる検出も可能に。 |
2. |
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独自の変異濃縮技術で、高い特異性と感度を実現。 |
3. |
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オープンシステムのため使いやすく、解析も簡単。 |
4. |
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0.1%の変異も増幅可能。 |
5. |
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必要なサンプル量はわずか 20ng/μL~。低コストを実現。 |
6. |
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マイクロダイセクションなしでも、サンガーシークエンスによる検出が可能に。 |
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キットには、サンガーシークエンス用のプライマーも付属します。
主にがん関連遺伝子の変異が対象です。以下の製品リストからご希望の製品をご確認ください。
⇒製品リスト(Excel) ダウンロード
【対象遺伝子一覧】
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大腸がん |
BRAF |
EGFR |
KIT |
PIK 3 CA |
KRAS |
NRAS |
TP53 |
PTEN |
白血病 |
ABL |
DNMT3A |
FLT3 |
IDH1 |
IDH2 |
JAK2 |
KIT |
KRAS |
NRAS |
PIK3CA |
TP53 |
TET2 |
肝臓がん |
BRAF |
EGFR |
FLT3 |
JAK2 |
KIT |
KRAS |
NRAS |
PIK3CA |
TP53 |
PTEN |
- |
- |
肺がん |
EGFR |
KRAS |
BRAF |
PIK3CA |
TP53 |
PTEN |
- |
- |
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【キット内容】
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・エクソン プライマーセット 各90μL
・サンガーシークエンス用プライマーセット 各25μL
・DNAクオリティーコントロールプライマーミックス 90μL
・2xPCR マスターミックス 1.1mL
・ヌクレアーゼ フリー水 1mL |
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【サンガーシークエンスの解析結果例】
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1%以下の希少変異も、本製品を使用してサンプルを調整することで、サンガーシークエンスによる検出が可能に。(データ解析については、ご使用いただく機器のマニュアルをご参照ください。)
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【対応機種】
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・PCR機器・・・Veriti (applied biosystems), T100(Bio-Rad), T-3000(Biometra)
・サンガーシークエンサー・・・ABI Veriti Thermo Cycler |
【増幅後電気泳動の結果】
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左から
レーン1:100bp DNA マーカー
レーン2:エクソン2 PCR 産物 (~210bp)
レーン3:エクソン3 PCR 産物 (~150bp)
レーン4:エクソン4A PCR 産物 (~200bp)
レーン5:エクソン4B PCR 産物 (~180bp)
SOC マーカー:not shown |
【参考文献】
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ヒト EGF 受容体の過剰発現は、NIH 3T3 細胞における EGF 依存性形質転換表現型を引き起こす。
Di Fiore PP, Pierce JH, Fleming TP, Hazan R, Ullrich A, King CR, Schlessinger
J, Aaronson SA. Overexpression of the human EGF receptor confers an EGF-dependent
transformed phenotype to NIH 3T3 cells. Cell. 1987 Dec 24;51(6):1063-70 |
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プロスタグランジン E2 は、EGF 受容体を活性化する: 結腸癌の増殖と胃腸肥大を促進する新しいメカニズム
Pai R, Soreghan B, Szabo IL, Pavelka M, Baatar D, Tarnawski
AS. Prostaglandin E2 transactivates EGF receptor: a novel mechanism for
promoting colon cancer growth and gastrointestinal hypertrophy. Nat Med. 2002
Mar;8(3):289-93.
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台湾人原発性粘液性卵巣癌における高頻度の BRAF 変異の検出。
Chao WR, Lee YJ, Lee MY, Sheu GT, Han
CP. High frequency of BRAF mutations in primary mucinous ovarian carcinoma of
Taiwanese patients. Taiwan J Obstet Gynecol. 2021 Nov;60(6):1072-1077.
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NRAS 変異は皮膚ロザイ・ドルフマン病の発症に関与している可能性がある。
Wu KJ, Li SH, Liao JB, Chiou CC, Wu
CS, Chen CC. NRAS Mutations May Be Involved in the Pathogenesis of Cutaneous
Rosai Dorfman Disease: A Pilot Study. Biology (Basel). 2021 May 2;10(5):396.
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EGFR および HER2 エクソン20 選択的キナーゼ阻害剤の非小細胞肺がんに対する作用機序と臨床活性について
Robichaux JP, Elamin YY, Tan Z,
Carter BW, Zhang S, Liu S, Li S, Chen T, Poteete A, Estrada-Bernal A, Le AT,
Truini A, Nilsson MB, Sun H, Roarty E, Goldberg SB, Brahmer JR, Altan M, Lu C,
Papadimitrakopoulou V, Politi K, Doebele RC, Wong KK, Heymach JV. Mechanisms
and clinical activity of an EGFR and HER2 exon 20-selective kinase inhibitor in
non-small cell lung cancer. Nat Med. 2018 May;24(5):638-646.
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