製品・サービス情報
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PolyAn 社は、分子表面工学技術(MSE)を使用した表面修飾を専門とするナノテクノロジー企業です。
分子診断およびライフサイエンス研究用の消耗品の開発および製造を行っています。
表面修飾は、すべて完全に透明であり、接触角測定および定性的試験によりロット間のばらつきが少ないことを特長としています。
様々な製品でカスタムの対応が可能な場合がございます。希望の修飾/基板サイズがない、またはお手持ちの材料に表面修飾したいといったご要望がございましたら、お気軽にお問合せください。
3D 機能化について
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PolyAn社の 3 次元(3D)機能化表面は、反応性官能基が均一な密度で修飾された長鎖ポリマーで構成されています。このポリマーは、スライドやビーズなどの基板表面に共有結合しています。 |
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PolyAn社の分子表面工学テクノロジー(MSE)は、ベース基板に損傷を与えることなく、機能層を表面にやさしく結合します。反応基の密度および接触角の微調整が可能であり、これにより以下の利点が得られます。
・低蛍光バックグラウンド: 基板の自家蛍光に影響しない
・非特異的結合の低減: 後述の防汚マトリックスとの組み合わせにより非特異的な分子の結合を低減
・均一なスポット: スライド内の均一な反応基の分布およびロット間の高い再現性
・目的用途に最適な表面構成: 機能層の形態や厚さ、親水/疎水性(接触角)の調整が可能 |
表面機能化による指向性結合の利点
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表面機能化によって生体分子の共有結合が可能になります。
受動的吸着では、生体分子がランダムな向きで固定されるのに対して、共有結合は方向性のある固定が可能です。
これによりアッセイの効率が向上し、シグナル強度が増加します。
◆IgG 抗体イムノアッセイの場合
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指向性結合はシグナル強度と S/N 比を改善します。
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受動的 IgG 吸着
⇒抗体はランダムな無機に吸着するため、抗原が結合しにくい抗体が含まれる。 |
部位特異的な IgG の共有結合
⇒抗原が結合しやすい向きに揃えて固定できるため、シグナル強度と S/N 比が改善 |
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◆DNA ハイブリダイゼーションアッセイの場合
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指向性結合は DNA ハイブリダイゼーションの効率を向上させます。
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受動的 IgG 吸着
⇒DNAはランダムな向きで基板に結合するため、例えば基板に対してフラットになるとターゲットを認識できない可能性がある。 |
DNA の直接共有結合 ビオチン化 DNA の結合
⇒効率的なハイブリダイゼーションができる向きを揃えて固定 |
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防汚コーティングについて
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生物付着(Biofouling: バイオ腐食、膜ファウリング、タンパク質ファウリングとも呼ばれます)は、水性または生物学的環境におけるインプラント、膜、プラスティック容器(カップやマイクロプレート)の表面への望ましくない生体分子の吸着および付着として知られています。生体分子が表面に層を形成すると、細胞や微生物がその後表面に付着し、いわゆるバイオフィルムの形成が簡単に行われてしまいます。
ライフサイエンスの研究、診断、分析、センサー技術、および医療技術の分野では、生物付着が原因でパフォーマンスの大幅な低下を引き起こす場合があります。細胞または生体分子が基板表面と非特異的に相互作用することで、測定が不正確になったり、バックグラウンドが高くなったり、S/N
比に影響する可能性があります。
PolyAn 独自の防汚コーティングは、ほぼすべてのポリマー、フィブリン、フィブロネクチン、その他の「粘着性タンパク質」の非特異的タンパク質吸着も効果的に最小限に抑えることができます。3D
機能化に含まれる防汚マトリックスにもこの技術が使用されています。
下記のグラフでは、典型的に高い接着挙動を示す 2 つの血漿タンパク質(BSAとフィブロネクチン)を FITC で標識し、異なる表面上での非特異的結合を、数回の洗浄ステップ後の
4 時間および 24 時間のインキュベーション後に比較しています。吸着タンパク質の量は、タンパク質含有量が既知の濃度系列に対する FITC 標識タンパク質の蛍光強度を介して決定されました。BSA-FITC
およびフィブロネクチン-FITC は、PBS 中に 1mg/ml の濃度になる様に調製されました。
未処理のガラス表面および疎水化処理されたガラス表面では、非特異的なタンパク質の結合(吸着)が高いですが、PolyAn の防汚コーティングをした基材への非特異的タンパク質の結合は大幅に減少しました。
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