製品・サービス情報
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電子顕微鏡試料用 導電性薄膜作製装置
オスミウム・プラズマコーター |
「直流グロー放電による負グロー相領域内でのプラズマ製膜法」を用いた、主にSEM試料用の導電性薄膜作製装置です。 |
優れた膜厚再現性
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優れた膜厚再現性は、形状および分析データのバラツキを防ぎます。膜厚再現性が低いと、製膜された試料表面の形状に影響を及ぼします。また、試料極表面を分析する
ESCA、AES 等においては、チャージアップ防止のための導電性薄膜(数nm)の再現性が、バックグラウンドの差として分析データのバラツキを生じさせる原因となります。
フィルジェンのオスミウム・プラズマコーターは、独自の製膜技術(特許取得済)により、放電開始と同時に放電電流をモニターし、放電電流と時間との積分値を計算して自動制御することで、優れた膜厚再現性を実現しています。
膜厚の自動制御 |
設定した膜厚値と実際の膜厚とが乖離しない様に、放電電流をモニターしながら放電時間を自動制御
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図1 放電時間と放電電流値による膜厚の関係 |
膜厚を決定づける2つの要因は、「放電時間」と「放電電流」です。上記の図1の様に、放電を開始した際、「(A)電流3mAが2秒の場合」と「(B)電流2mAが3秒の場合」は同じ膜厚です。つまり、膜厚=放電電流x放電時間、放電電流と放電時間の積分値で表されます。
図2 マニュアル操作による膜厚の誤差が発生する原因 |
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図3 自動操作による高い膜厚再現性について |
放電が開始された後、はじめて電流が流れますが、放電電流値を予想することができません。また、薄膜は数nm/数秒で成長するため、その間にマニュアル操作で放電電流の制御をすることやタイマーによる時間制御で解決することは極めて難しいです。上記の図2の様に、放電電流値の増減は、膜厚の誤差として時間とともに大きくなり、放電時間のみの制御だけでは膜厚再現性は低くなります。フィルジェンのオスミウム・プラズマコーターは、上記図3の様に独自の製膜技術(特許取得済)により、放電開始と同時に放電電流をモニターし、放電電流と時間との積分値を計算して自動制御しながら設定値との乖離が少ない製膜をします。 |
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自動操作
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フィルジェンのオスミウム・プラズマコーターは、すべての機種において自動操作による製膜が可能です。
試料ステージに試料を載せ、ガス反応容器を閉めて膜厚を設定した後は、スタートボタンを押すだけで製膜できます。
マニュアル操作では、OsO4ガスの導入量、放電時間と放電電流値を手動で調製する必要がありましたが、自動操作ではこれらの複雑なマニュアル操作がなく、誰にでも簡単に操作できます。
また、人為的な操作ミスや使用者の熟練度に差が生じないため、安全かつ再現性に優れた製膜が可能です。
操作性の比較 |
フルオート
(現行タイプ) |
マニュアル
(旧タイプ) |
準備 |
ガス反応容器内に試料を入れます。 |
コーティング |
真空引き |
スタートボタンを押すと、自動で製膜(コーティング)
を行います。
自動コーティングの手順
①「真空引き」
②「ガス導入」
③「ガス流量調整」
④「膜厚制御(コーティング)」
⑤「ガスの再排気」
膜厚も nm単位 で設定できるため、簡単に
制御することが可能です。
インターロック機構があるため、「ガスの再排気」
を行わない状態でガス反応容器を開放すること
ができません。
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①&② 規定の真空度までガス反応容器内の真空引きを行います。
真空度は目視で確認します。
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OsO4ガス
導入 |
③ オスミウムガスをバルブを回転させて導入します。 |
OsO4ガス
流量調整 |
④ 回転式のマニュアルバルブにより、オスミウムガスの真空度或いは他の計器類を確認しながら調整します。 |
膜厚制御
(コーティング) |
⑤&⑥ 放電の電流値と時間の相関によって膜厚が決まるため、回転式のマニュアルバルブを調整しながら電流値を調整します。
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OsO4ガス
の再排気 |
⑦&⑧ オスミウムガスの導入をバルブで止め、ガス反応容器内を回転式のマニュアルバルブを全開にして排気を行います。
インターロック機構がないため、ガスの再排気を行わなくてもガス反応容器を開放することができる恐れがあります。
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安全対策
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フィルジェンでは、20年以上のオスミウム・プラズマコーターの販売を通じ、四酸化オスミウムを安全に取り扱うノウハウの獲得やお客様からの貴重な意見を取り入れ、常に安心してご使用して頂ける様安全対策に取り組んでいます。
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全ての機種で自動操作を採用。ヒューマンエラーによる危険がありません。 |
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四酸化オスミウム昇華室の中で四酸化オスミウムアンプルを割る構造のため、安全です。 |
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製膜後は、自動的にガス反応容器内に残存している OsO4 ガス/ナフタレンガスを排気し、安全な状況でサンプルを取り出すことが可能です。 |
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予期しないトラブルにより、ガス反応容器内に OsO4 ガスが残存した状況で装置の電源が落ちても、再起動した時は、OsO4ガスを排気して、安全な状況になるまでサンプルを取り出すことができません。(インターロック機構) |
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ロータリーポンプのオイルミストトラップの上に、当社独自開発のオスミウムトラップフィルターを装着しており、環境基準をクリアしており、ハイレベルな安全性を確保しています。(オスミウム・プラズマコーターおよびロータリーポンプをドラフト内に設置せずに使用することが可能です。) |
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≫オスミウム昇華室について
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当社の装置専用に作られた、密閉状態で着脱が可能なオスミウム昇華室です。本体に1つ標準装備されています。
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昇華室内で安全に四酸化オスミウムアンプル(OsO4)を割断することが可能です。 |
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フルクローズにすることで着脱が可能となり、冷凍保存できます。 |
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残量確認小窓で四酸化オスミウムの残量が確認できます。 |
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未使用時のオスミウム昇華によるロスを最小限に防ぎます。 |
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①フルオープン
(本体への装着時) |
・・・・・ |
四酸化オスミウムガスが電磁弁の手前まで充満しています。(取り外し不可) |
②ハーフクローズ
(配管内ガス排気時) |
・・・・・ |
ガス導入ツマミをケガキ線まで回し、電磁弁を開くことでガス導入経路の四酸化オスミウムガスを排気することができます。(取り外し不可) |
③フルクローズ
(着脱可能状態) |
・・・・・ |
ガス導入ツマミを完全に回り切ることで、オスミウム昇華室は、昇華室内が密閉の状態で安全にオスミウム・プラズマコーターから取り外すことができます。 |
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①フルオープン(本体への装着時) |
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②ハーフクローズ(配管内ガス排気時) |
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③フルクローズ(着脱可能状態) |
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拡張性
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フィルジェンのオスミウム・プラズマコーターではサンプルの種類や大きさ、アプリケーションなど様々な課題を解決するためのオプション機能を追加搭載することができます。機能の選択でお困りの際は、お問合せ頂ければ最適なオプションをご提案いたします。
ナフタレンを用いたプラズマ重合膜の製膜が可能です。
プラズマ重合膜を製膜した後に、ガス反応容器を大気開放せずに、オスミウム薄膜と組み合わせてハイブリッドコートが可能です。
フィルジェン独自の製膜機構です(特許取得済)。
◎フッ素樹脂へのコーティング
◎FIB試料用保護膜 |
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0.5~3nm 程度のオスミウム薄膜を再現性良く作製することが可能です。
また、標準タイプのコーティングもご使用頂けます。
◎低電流方式
◎混合ガス方式 |
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親水化処理を行うことにより、より密着性の高いオスミウム薄膜を試料表面に作製することができます。
また、親水化処理をした後に、ガス反応容器を大気開放せずに、オスミウム薄膜の製膜が可能です。 |
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従来よりも 30mm 高い試料の製膜が可能です。
また、標準タイプのコーティングもご使用頂けます。 |
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オスミウム・プラズマコーターは、四酸化オスミウムに対する安全性対策を万全に行っておりますが、さらなる安全対策をご要望のお客様に、「簡易ドラフトフード+排気ユニット」を特注にて製作可能です。
排気ユニットには、プレフィルター、HEPAフィルター、活性炭フィルターに加え、弊社独自開発のOsO4フィルターが装着されています。
ロータリーポンプの排気ガスも接続可能です。
詳細は、当社までお問合せください。 |
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安心のサポート体制
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フィルジェンでは、ご購入後もお客様が安心してご使用できる様に、安心のサポート体制を整えています。ご使用方法やトラブルシューティングはもちろん、メンテナンスのご相談や消耗品購入など、お気軽にご相談ください。
◆メンテナンス
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専任の担当者が、自社ラボで装置のメンテナンスを行います。
安全にご使用頂くために、リークディテクターを用いて装置配管内およびオスミウム昇華室の真空漏れの点検を行います。
サポート期間が終了した機種のメンテナンスについては、ご相談ください。 |
◆代替機の用意
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メンテナンス期間中にもオスミウム薄膜を製膜されたい方のために、代替機をご用意しております。
代替機およびお貸出し可能な機種には、数に限りがありますので、メンテナンススケジュールをご相談ください。 |
◆四酸化オスミウムアンプルの交換サービス
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弊社にてオスミウム昇華室をお預かりして、四酸化オスミウムアンプルを充填して、ご返送するサービスを提供しております。
四酸化オスミウムアンプルを充填する際は、リークディテクターを用いてオスミウム昇華室の真空漏れの点検を行います。
四酸化オスミウムアンプルを充填する際に、Oリング交換も併せてご依頼頂くことが可能です。
お客様の施設にて四酸化オスミウムアンプルを保管できない、交換作業をする設備がないなど、お困りの場合は、お問合せください。 |
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