製品・サービス情報
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フィルジェンでは、Creative Proteomics社(アメリカ)と業務提携し、リピド―ム解析サービスをご提供致しております。Creative
Proteomics社は、最新かつ最高水準のテクノロジーを駆使し、様々な生物由来試料の既知・未知な脂質種分析をします。お客様の目的に合わせて、興味のある脂質種やサンプルに合わせた解析方法を提案し、各脂質の性質に合わせた抽出及び分離プロトコルを用いて解析を行います。。
フィルジェンで提供するリピドーム解析は、以下の3つのアプリケーションで構成されています。
【関連サービス】
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包括的リピドーム解析

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脂質は、生体膜の主要成分です。それらは、生細胞におけるエネルギー貯蔵の主な形態であるだけでなく、よく知られた細胞シグナル伝達メディエーターでもあります。リピドームは、8つの主要なカテゴリー、80以上の主要クラス、300サブクラス、および様々な濃度の数千種類の脂質種から構成されています。リピドミクスは、生体系、組織、体液または細胞内の全ての脂質分子(>30,000種)の体系的研究であり、細胞生理と病態生理をよく理解するためには、脂質の包括的な同定と正確な定量化が重要です。
包括的なリピドミクスは、数百から数千の個々の脂質種を同時に分析することを可能にし、それは個体の健康状態を評価するのに有益です。癌、糖尿病、アルツハイマー病および心臓血管疾患の研究において、脂質プロファイルの相違が報告されています。この様な種類の詳細な脂質プロファイルは、医療リスクの評価、患者の治療の監視と最適化に利用でき、精密医学の概念の基礎となります。包括的リピドミクスのアプリケーションには、農業科学、バイオマーカー、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、心臓血管、癌、糖尿病および肥満疾患研究、臨床診断、創薬およびシステム生物学が含まれます。
【選択サンプル例】
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包括的メタボローム解析は、様々なサンプルに含まれる脂質に対応することができます。以下の様なサンプルに対して、研究アプローチの1つとして本サービスを選択することができます。
(植物リピドミクス)
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脂質は、植物で重要な役割を果たしており、細胞膜の構造成分、種子中の主要な貯蔵物質、葉のエネルギー捕捉用色素、および細胞間のシグナル伝達分子として機能しています。リピドミクスの開発により、植物脂質の質量分析のアプリケーションも大幅に改善されてきました。植物リピドミクスは、質量分析を用いた植物細胞脂質の分析として定義されます。分子標的化されていない脂質プロファイリングでは、植物の発育および環境変化に応答する代謝変化を検出するために使用することができます。
脂質は、植物の成長、発達、および環境変化に対する重要な役割を果たすことが知られています。グリセロ脂質は、リン脂質、糖脂質および中性脂質を含む植物において最も豊富な脂質型です。これらの脂質組成は、植物の異なる組織および種によって異なり、また栄養素や環境によって強く影響されるため、ストレスに起因する脂質変化や障害誘発性の脂質変化、加齢に伴う脂質変化などの解析に有用です。

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(酵母リピドミクス)
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酵母(Saccharomyces cerevisiae)は、真核細胞の生理および分子機能を研究するために広く使用されているモデル生物です。酵母は、トランスクリプトーム、プロテオームおよびインタラクトーム研究が先駆けて実施されており、酵母における脂質解析は、「酵母リピドミクス」と呼ばれています。S.cerevisiaeは、他の真核細胞と比較して比較的単純なリピドームを有し、これまでに同定された約150の異なる分子種を含んでいます。それは、脂質代謝経路の保存されたネットワークを使用しています。
酵母は、飽和(~20%)または一価不飽和(~80%)である16または18個の炭素原子を有する脂肪酸を主に含みます。哺乳動物細胞とは対照的に、酵母はC9とC10との間に二重結合を有する一価不飽和脂肪酸のみが含まれており、酵母脂質の組み合わせに関わるアシル鎖の複雑さを大幅に低減しています。
C5(イソプレン)骨格からの縮合、環化、酸化還元反応の複雑な過程で合成されるエルゴステロールは、コレステロールの代わりに酵母の主要なステロールとなる場合があります。それにもかかわらず、酵母モデルシステムは、特定の脂質種の合成、代謝回転、局在化および分解を制御するタンパク質を操作する絶好の機会を与えます。酵母膜は、D-リモネンストレス、塩ストレス、低酸素ストレス、および栄養ストレスの様な異なるタイプのストレスに対して、非常に感受性があることが示されています。膜リピドームの変化は、ストレス適応において、重要な役割を果たすことが示唆されています。 |
(哺乳類リピドミクス)
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膜およびエネルギー資源の主成分である細胞脂質は、細胞および生理的エネルギー恒常性の両方にとって重要な役割を果たしています。脂質の主な生物学的機能には、エネルギー貯蔵、シグナル伝達、および細胞膜の構造成分としての機能が含まれます。脂質の組成は、組織によって異なりますが、構造成分であるリン脂質は、正常な生理学的条件下では組成がより一定です。対照的に、単純脂質、特にトリアシルグリセロールの割合は、動物生理学的状態および栄養状態に応じて著しく変化します。血漿脂質の組成は、すべての組織に脂肪酸を供給するため、特に重要です。脳のリン脂質は、他の組織よりもホスファチジルセリンの割合が高く、肝臓では、PCとPEは非常に豊富です。
脂質代謝は、ネットワーク内で調節されるため、任意の合成または分解経路の変化は、ネットワークの脂質恒常性全体の変化をもたらし得ます。包括的リピドミクスは、特定の刺激の後のシステム全体のメカニズムに対して有用な情報を提供します。さらに、特定の疾患または病的状態の下で、変化した脂質種および量の決定は、疾患の機序を潜在的に明らかにします。
リピドミクスは、仮設をスクリーニングして検証するための強力なツールとして役立ちます。さらにリピドミクスは、糖尿病および肥満、心臓血管疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、精神病および癌を含む様々な疾患におけるバイオマーカーの発見に非常に有用です。

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【解析内容】
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最大500種類(リン脂質、スフィンゴ脂質、グリセロ脂質など)の様々なカテゴリーの脂質種について、LC-MSによる正規化された相対強度をご提供します。ただ、こちらについては、提供して頂くサンプルのソースにより、同定される脂質の数が異なる場合があります。
全脂質種において、リテンションインデックス、mass定量化、生化学データベース識別子、全massスペクトルにより、レポートが提供されます。
なお、脂質種に関しては、全体濃度ではなく、ピークの高さにより定量化されます。
本サービスで解析できる脂質種 |
PA:ホスファチジン酸 |
LPC:リゾホスファチジルコリン |
SM:スフィンゴミエリン |
PC:ホスファチジルコリン |
LPE:リゾホスファチジルエタノールアミン |
dhSM:ジヒドロスフィンゴミエリン |
PE:ホスファチジルエタノールアミン |
LPI:リゾホスファチジルイノシトール |
MAG:モノアシルグリセロール |
PG:ホスファチジルグリセロール |
LPS:リゾホスファチジルセリン |
DAG:ジアシルグリセロール |
PI:ホスファチジルイノシトール |
CER:セラミド |
TAG:トリアシルグリセロール |
PS:ホスファチジルセリン |
CE:コレステロールエステル |
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上記の質量分析サービスに加えて、包括的リピドーム解析では、オプションとしてバイオインフォマティクス解析もご依頼頂けます。
メタボローム解析におけるバイオインフォマティクス解析は、以下の通りです。
・単変量解析:ボルケーノプロット、T検定、Fold Change解析など
・多変量統計解析:主成分分析(PCA)、判別分析(PLS-DA、OPLS-DA)など
・クラスタリング解析:ヒートマップ、K平均、自己組織化マッピング(SOM)
・潜在的なバイオマーカーの特定
・差動代謝物の相関ネットワーク
ご依頼頂いた場合は、上記内容をすべて実施いたします。
解析については、データの信頼性と統計的優位性を保持するために、生物学的レプリケート数を1グループあたり3~5で構成していただくことを推奨いたします。
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【サンプル条件】
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ご提供頂くサンプルによって、解析に使用する必要サンプル量や条件が異なります。
詳しくは、弊社(受託解析部:Phone 052-624-4388/e-mail biosupport@filgen.jp)までお問合せください。 |
【価格】
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サービス名 |
数量 |
税別価格 |
カタログ# |
包括的リピドーム解析サービス |
1サンプルから受注受付※ |
¥73,000 |
F-CPM-ULS-[サンプル数] |
オプション |
バイオインフォマティクス解析 |
1比較目 |
¥300,000 |
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2比較目以降 |
¥103,000 |
- |
※ |
6サンプル未満でご依頼頂く場合は、セットアップ費用として別途¥32,000(税別)の費用が発生します。 |
※ |
オプションのバイオインフォマティクス解析をご依頼頂く場合は、1グループ n=3~5で構成して頂くことを推奨いたします。 |
※ |
本サービスは、海外業務提携先で実施する解析のため、上記の解析料金の他、サンプルの海外輸送費が別途発生いたします。 |
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標的リピドーム解析

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脂質は、脂肪、ワックス、ステロール、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、Kなど)、モノグリセリド、ジグリセリド、リン脂質などの疎水性または両親媒性の小分子です。脂質は、生物学的生理学において、エネルギー貯蔵と細胞膜の構造成分だけでなく、シグナル伝達、膜輸送、形態形成にも重要な役割を担っています。本サービスでは、経験豊富な科学者および技術者が、脂質組成を決定するために、先進的なタンデム質量分析計、強力なバイオインフォマティクス分析システムを用いた、迅速な作業と分析を提供しています。
【標的リピドーム解析のワークフロー】
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※質量分析、バイオインフォマティクス解析については、ご選択頂いた内容により、上記の作業と異なる場合があります。 |
【脂質分析パネル一覧】
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各パネルで定量することのできる脂質に関する詳細情報は、弊社までお問合せください。
脂肪酸 |
遊離脂肪酸(ω3脂肪酸、ω6脂肪酸、飽和脂肪酸をカバー) |
総脂肪酸(ω3脂肪酸、ω6脂肪酸、飽和脂肪酸をカバー) |
短鎖脂肪酸 |
非常に長い鎖の脂肪酸 |
分岐鎖脂肪酸 |
トランス脂肪酸 |
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- |
脂肪酸誘導体 |
プロスタグランジン |
ロイコトリエン |
エイコサノイド |
エイコサノイド代謝物(尿) |
CYP450代謝物 |
ヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE) |
リポキシゲナーゼ |
カンナビノイド |
ミコール酸 |
脂肪酸代謝物 |
脂肪酸代謝 |
アシルCoA |
- |
グリセロ脂質 |
グリセロ脂質 |
ジアシルグリセロール |
トリグリセリド |
グリセロリン脂質 |
グリセロリン脂質 |
カルジオリピン |
- |
スフィンゴ脂質 |
セラミド |
スフィンゴミエリン |
スフィンゴシンベース |
ガングリオシド |
スフィンゴ脂質代謝 |
スフィンゴシン-リン酸塩 |
へキソシルセラミド |
- |
- |
イソプレノイド |
ポリプレノール |
- |
- |
ステロール |
総ステロール |
遊離コレステロール |
コレステロールエステル |
オキシステロール |
ステロイド |
- |
その他 |
脂質クラス |
リン脂質 |
ワックスエステル |
オリーブオイルフェノール |
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【サンプル条件】
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ご提供頂くサンプルによって、解析に使用する必要サンプル量や条件が異なります。
詳しくは、弊社(受託解析部:Phone 052-624-4388/biosupport@filgen.jp)までお問合せください。 |
【価格】
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サービス名 |
パネル |
数量 |
税別価格 |
カタログ# |
標的リピドーム解析サービス |
ご選択頂いた標的パネル |
1サンプルから受注受付※ |
お問合せ※ |
ご選択頂いたパネルによる |
※ |
ご選択頂いたパネルによってはサンプルの最低受付数が指定されている場合があります。詳しくは弊社までお問合せください。 |
※ |
本サービスは、海外業務提携先で実施する解析のため、上記の解析料金の他、サンプルの海外輸送費が別途発生いたします。 |
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エクソソームリピドミクス

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エクソソームは、細胞から分泌され、血液および尿を含む多くの真核生物の液体に存在する小胞であり、タンパク質、脂質、DNAおよびRNAの多様な混合物を含包します。エクソソームは、原形質膜から直接放出されるか、または多胞体が原形質膜と融合すると放出されると考えられています。これまでの様々な研究によって、エクソソームは特殊な機能を有し、細胞間シグナル伝達や老廃物の管理において主な役割を果たすことが分かってきています。さらに、癌などの疾患や神経病理学などに関連した疾患において役割を果たすことが示唆されています。体液の非常に安定した特性によって、エクソソームは非侵襲性疾患バイオマーカーのためのリザーバーとして使用されています。
エクソソームは、二重膜で組織化された元の脂質を示します。エクソソーム膜の正確なタンパク質と脂質の構造は、その構造と機能に関する知識を得るために必要であり、エクソソームの形成、放出、機能のメカニズムを理解するために不可欠です。さらに、エクソソームは、エイコサノイド、脂肪酸、コレステロールなどの脂質を含むため、その脂質組成は異なる条件下で変化します。これまで、エクソソームのタンパク質およびRNA組成に関する情報は、様々なことが明らかになってきていますが、対照的にエクソソームの脂質組成に関する情報は現在ほとんど知られていません。エクソソームは、異なる細胞から放出されて異なる役割を有するため、エクソソームの内容についてプロファイリングすることは、親細胞が他の細胞にどの様に影響するかを解明し、特定の親細胞に固有のバイオマーカーを開発するために非常に重要です。

【サンプル条件】
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ご提供頂くサンプルによって、解析に使用する必要サンプル量や条件が異なります。
サンプルタイプ |
必要量 |
エクソソームサンプル |
血漿(または血清)2mLまたは1000万個の細胞から収集できるエクソソーム量が最低でも必要となります。単離したエクソソームは、150~200μLのPBSで再懸濁してご準備ください。
他のバッファー、試薬類がサンプルに含まれない様にご準備ください。 |
エクソソーム単離からご依頼頂く場合 |
血漿(または血清) |
≧2mL |
細胞 |
≧1×107個 |
細胞培養液 |
5~10mL |
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【価格】
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サービス名 |
数量 |
税別価格 |
カタログ# |
エクソソームリピドミクス受託サービス |
1サンプルから受注受付※ |
¥94,000 |
F-CPM-EXOL-[サンプル数] |
オプション |
エクソソーム単離サービス |
1サンプルから受注受付※ |
¥53,000 |
F-CPM-EXOE-[サンプル数] |
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本サービスは、海外業務提携先で実施する解析のため、上記の解析料金の他、サンプルの海外輸送費が別途発生いたします。 |
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