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Arraystar社 次世代シークエンス(NGS)
eccDNA-Seq
受託解析サービス

DNA サンプル中には、圧倒的な量の直鎖状染色体 DNA と環状ミトコンドリア DNA(mtDNA)が存在しており、これは染色体外環状 DNA(Extrachromosomal circular DNA:eccDNA)の NGS 解析におけるリード数を大幅に減らす可能性があるため、eccDNA-Seq ではこれらを除去する必要があります。Arraystar 社の eccDNA-Seq では、制限エンドヌクレアーゼ切断によって環状 mtDNA を線形化し、線形化された mtDNA と直鎖状染色体 DNA を直鎖 DNA 特異的エキソヌクレアーゼによって消化することで、サンプル中の eccDNA を無傷のまま濃縮します。ローリングサークル増幅(RCA)によって、eccDNA を増幅し、eccDNA のシグナルとデータ品質を大幅に向上させます。micro-eccDNA と mega-eccDNA を同時にプロファイリング可能です。


eccDNA 解析の概要


なぜ eccDNA を研究するのか?

染色体外環状 DNA(eccDNA)は、通常の染色体 DNA の外側に存在する二本鎖環状 DNA 分子の一種で、ヒトの正常組織、癌組織、体液、およびその他の真核細胞に広く存在しています。長さによって、eccDNA は、micro-eccDNA(10 kb 未満)と mega-eccDNA(10 kb 以上)の2つの主要なカテゴリに分類されます[1]。micro-eccDNA は、正常組織のゲノムの任意の領域から、またはプログラムされた細胞死の副産物として生じることがあります。これらの実態は、通常遺伝子を持たず、細胞内での増幅または増殖選択を受けていません。染色体外 DNA(ecDNA)という用語は、非常に大きな mega-eccDNA、すなわちクローン的に遺伝し、自己複製し、増幅し、癌細胞でのみ選択される大きなクローン性環状 DNA 分子(10 kb から数 Mb)を指すのによく使われます。これらの eccDNA 分子には、がん遺伝子、薬剤耐性遺伝子、またはモバイルスーパーエンハンサーなどが頻繁に存在し(図3)、癌にとって進化的な選択的優位性をもたらしています(図1)。機能的には、eccDNA は、多様な分子的および生理学的プロセスを制御し(図2)[2]、様々な疾患と密接に関連し(表1)、優れた診断および予後マーカーとなり得ます(表2)。近年、eccDNA は、がん研究における大きなブレークスルーおよび研究ホットスポットの1つになっています。


図1. eccDNA の不均一な分離(左図b)は、腫瘍の遺伝的不均一性を促進し(右図)、癌細胞に強い進化的優位性をもたらす[3,4]。


図2. eccDNAは、多様な分子および生理学的プロセスを制御します。機構的には、eccDNA は遺伝子増幅、テロメア長回復、ゲノム可塑性および分子スポンジにおいて重要な役割を果たし、細胞挙動、免疫、老化などの様々な生理学的事象に関与しています[2]。


表1. eccDNA 関連疾患[5]


表2. バイオマーカーとしての直鎖状 cfDNA に対する eccDNA のユニークな利点[2]


図3. eccDNA は、遺伝子転写を制御するモバイルスーパーエンハンサーとして機能します[6]。

【Reference】

1. Hung, K. L., et al. (2022) "Gene regulation on extrachromosomal DNA" Nat Struct Mol Biol 29(8):736-744 [PMID: 35948767]
2. Yang, L., et al. (2022) "Extrachromosomal circular DNA: biogenesis, structure, functions and diseases" Signal Transduct Target Ther 7(1):342 [PMID: 36184613]
3. Noorani, I., et al. (2022) "Leveraging extrachromosomal DNA to fine-tune trials of targeted therapy for glioblastoma: opportunities and challenges" Nat Rev Clin Oncol 19(11):733-743 [PMID: 36131011]
4. Nathanson, D. A., et al. (2014) "Targeted therapy resistance mediated by dynamic regulation of extrachromosomal mutant EGFR DNA" Science 343(6166):72-6 [PMID: 24310612]
5. Zhao, Y., et al. (2022) "Extrachromosomal circular DNA: Current status and future prospects" Elife 11([PMID: 36256570]
6. Zhu, Y., et al. (2021) "Oncogenic extrachromosomal DNA functions as mobile enhancers to globally amplify chromosomal transcription" Cancer Cell 39(5):694-707 e7 [PMID: 33836152]


特長

最大限の eccDNA 濃縮: 染色体およびミトコンドリア DNA の除去および eccDNA のローリングサークル増幅により、eccDNA リードを劇的に増加
幅広いカバレッジ: micro-eccDNA to mega-eccDNA の同時プロファイリング
高い信頼性: 十分に確立され最適化された手順により、最良の結果を生み出す
使いやすい解析: 豊富なアノテーション、ゲノムブラウザトラックの視覚化、生物学者や臨床医向けの論文化可能なグラフィックを提供


解析の流れ


本サービスは、gDNA~データ解析までのフルパッケージとなっています。



【解析ワークフロー】
1. gDNA サンプルの受け取りおよび QC チェック
2. ミトコンドリア DNA の線状化*
3. 線状 DNA の除去*
4. ローリングサイクル増幅
5. 超音波断片化とDNAシークエンシングライブラリーの構築
6. illumina プラットフォームによるハイスループットシークエンシング
7. データ抽出と解析および要約
 *生体液サンプルの場合、上記2および3の工程は省略。

【バイオインフォマティクス解析】

本サービスのバイオインフォマティクス解析では、以下のデータを提供します。

gDNA サンプル QC 結果
シークエンスデータ(Clean reads, Trimmed reads および Aligned reads)
データ解析:
- シークエンスデータのQC
- ゲノム参照データベースへのリードマッピングとアライメント
- eccDNA 解析(eccDNA の分類、アノテーション、ゲノム全体の染色体分布)
- eccDNA 発現変動解析(fold change≧2 and p-values≦0.05 でデフォルトカットオフ)
- 発現変動 eccDNA 遺伝子の Volcano plot
- 発現変動 eccDNA 遺伝子の GO/パスウェイ解析
プロジェクトサマリーレポート

【データ例】

・アノテーション付き eccDNA データ表





・eccDNA サイズ分布のヒストグラム



・ゲノム全体の eccDNA 分布



サンプル条件


品質条件 詳細
対象生物種 Human/Mouse/Rat(その他生物種については、お問合せください。)
サンプルタイプ gDNA
必要量 推奨量:>3μg、最少量:>1μg
濃度(Nanodropに基づく) >20ng/μL
純度(Nanodropに基づく) O.D.260/280:1.7
O.D.260/230:1.8
RNA Integrity ・アガロースゲル電気泳動: 高分子DNAのバンドがはっきりと確認できること。
DNase、RNase フリーの 1.5ml マイクロチューブを使用してください(スクリューキャップ式を推奨)
ヌクレアーゼフリーの分子生物学グレードの水に溶解し、-80℃で保存してください。
UV スペクトルベースの濃度測定法では、不正確になる場合がありますので、蛍光ベースでの測定を強く推奨します。
UV スペクトルベースで測定した場合、上記よりも多いサンプルをご準備ください。


価格

サービス名 税別価格 カタログ#
eccDNA-Seq 受託解析サービス ¥373,000 F-AS-eccDNAseq-[サンプル数]
1サンプルの解析料金です。海外提携先への送料および記録メディア費が別途必要です。


ご注意事項(必ずご確認ください)

1. 解析サービスに関して
本サービスの解析は、弊社の海外業務提携先(Arraystar社)にて実施されます。
2. 解析に利用する製品に関して
本サービスの仕様は、事前の予告なく変更される場合があります。
3. お見積りに関して
正式なお見積書は、直接販売の場合には直接ご提出いたしますが、代理店経由の場合は代理店よりご提出させて頂きます。
4. サンプルの送付および取り扱いに関して
4.1 サンプルのご発送は、必ず、サンプル送付方法およびご注意点(PDF)の内容に従ってください。送付の際は、チューブをパラフィルムで覆い、キャップの緩みや中身の漏れがおきない様にしてください。サンプルの入ったチューブには、油性マジックでサンプル名を明記し、ビニールバッグ等に入れてください。DNAサンプルは、アイスバックなどとともに梱包し、クール便でお送りください。ただし、DNAが冷凍状態で保存されている場合は、砕いたドライアイスとともに梱包して、冷凍便でお送りください。
4.2 サンプルは、なるべく休日をはさまない様に、弊社営業時間内(土日祝日、年末年始等を除く、平日9時~18時)に到着する様にご発送ください。なお、ご発送時の送料はお客様負担となります。着払いでは受け取りできませんので、あらかじめご注意ください。
4.3 サンプル送付の際は、受託解析サービスQCシートおよび免責事項同意書を同封してください。これらが同封されていない、または記入漏れがある場合、解析サービスに着手できませんので、ご注意ください。
4.4 ご送付いただいた DNA の品質チェックの結果、解析に必要な量が不足または低品質であった場合、サンプルの再送をお願いする場合があります。なお、再度サンプルをお送り頂く場合、業務提携先への再送料金をご負担いただきます。
4.5 弊社に起因しない(国内および国際輸送時など)サンプル喪失等に対する補償・保険制度はありませんので、貴重なサンプルをご提供頂く際はご注意ください。
4.6 お預かりできるサンプルは、BSL2(バイオセーフティーレベル2)までのものに限られます。感染性が著しく高いサンプル(HIV、HCV、HBVウイルス)に感染していることが確認されている患者由来の検体など)は、お預かりできませんので、予めご了承ください。ヒト臨床サンプルの場合、インフォームドコンセントを得てからご提供ください。
4.7 ご提供頂いたサンプルの返却は致しておりません。(サンプルは解析終了時に破棄されます。)
4.8 本確認事項を満たさない事で別途費用が発生した場合、お客様に費用のご負担をお願いすることがあります。
4.9 サンプル・業務等から生じた知的財産権・工業所有権・安全性・インフォームドコンセント等の問題については、弊社は一切の責任を負わないものとします。
4. キャンセルに関して
本サービスは、海外での解析という性質上、サンプル受領後のキャンセルはお引き受けできません。やむを得ない理由でキャンセルされる場合、それまでの工程に応じた料金を請求いたします。
5. 納品物に関して
納品物は、代理店経由でのお取引の場合、基本的に代理店を介してお送りします。
納品データのバックアップは、必ずお客様にてお取りください。弊社でのデータ保管期間は、発送日から90日間です。弊社での保管期間を経過したデータは、破棄されます。


本ページは、Arraystar社のホームページに掲載されている情報や画像を一部引用しています。
お問い合わせ 受託解析部: biosupport@filgen.jp P.052-624-4388 https://filgen.jp/
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