製品・サービス情報
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EIRNA Bio 社 次世代シークエンシング(NGS)受託解析サービス
Ribosome Profiling 受託解析サービス |
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トランスラトミクス(Translatomics)とは、細胞や生物で活発に翻訳されているすべての Open Reading Frame (ORF)
に関する研究分野を意味します。様々な研究手法があり、翻訳中のRNAを解析するリボソームプロファイリングは、トランスラトミクスにおいて重要な解析手法の一つです。EIRNA
Bio社の Ribosome Profiling (Ribo-Seq) 受託解析サービスは、リボソームに覆われた mRNA 断片の塩基配列を決定し、生体内で
1 塩基の分解能で翻訳のグローバルなスナップショットを提供するトランスラトーム解析です。また、本解析は、翻訳中の mRNA に加え、通常の RNA-seq
も解析するサービスとなっております。本サービスの解析作業は、EIRNA Bio社(アイルランド)にて実施いたします。 |
概要
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Ribosome Profiling (Ribo-seq) は、Nicholas Ingolia と Jonathan Weissman が開発したディープシークエンス技術で、生体内での翻訳をゲノム全体にわたって把握することができます(1)。この技術は、翻訳中のリボソームが、一般にリボソーム保護断片(RPF)と呼ばれる RNase 分解に耐性のある mRNA の短い部分(~30ヌクレオチド)を覆うという原理に基づいています(2)。リボソームは翻訳阻害剤を使用してその場で「凍結」され、RNase を追加して保護されていない mRNA を分解することで、RPF のみを残すことができます(下図)。これらの
RPF を単離して配列決定することにより、mRNA 転写物上のリボソームの正確な位置をヌクレオチド分解能で決定することができます(3)。この様に、リボソームプロファイリングによって、翻訳の「スナップショット」を得ることができ、タンパク質合成のメカニズムや共翻訳過程に関する洞察を得ることができます(1,4)。翻訳は高度に制御されたステップであるため、トランスクリプトミクスで測定される mRNA の量は、タンパク質合成を正確に反映するものではありません。一方、Ribosome
Profiling (Ribo-seq) は、タンパク質合成を正確に反映する目的のために非常に有用な解析です(5)。
【参考文献】
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1. |
Ingolia
NT, Ghaemmaghami S, Newman JRS, Weissman JS. Genome-wide analysis in vivo of
translation with nucleotide resolution using ribosome profiling. Science (80-
). 2009;324(5924):218–23. |
2. |
Steitz
JA. Polypeptide chain initiation: nucleotide sequences of the three ribosomal
binding sites in bacteriophage R17 RNA. Nature. 1969;224(5223):957–64. |
3. |
Ingolia
NT. Ribosome profiling: new views of translation, from single codons to genome
scale. Nat Rev Genet. 2014;15(3):205–13. |
4. |
Ingolia
NT, Hussmann JA, Weissman JS. Ribosome profiling: global views of translation.
Cold Spring Harb Perspect Biol. 2019;11(5):a032698. |
5. |
Brar
GA, Weissman JS. Ribosome profiling reveals the what, when, where and how of
protein synthesis. Nat Rev Mol Cell Biol. 2015;16(11):651-664.
doi:10.1038/nrm4069 |
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解析の流れ
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本サービスは、RNA 抽出~データ解析までのフルパッケージとなっています。
【解析ワークフロー】
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1. |
細胞・組織サンプルの受け取り
※浮遊・接着細胞でサンプルをご提供頂く場合、適切な前処理をして頂く必要があります。
※市販の細胞株サンプルをご提供頂く場合、細胞株についての情報をご提供頂く必要があります。 |
2. |
RNA 抽出 |
3. |
ライブラリー調製およびQC(品質チェック) |
4. |
NGS ディープシークエンシング |
5. |
バイオインフォマティクス解析 |
6. |
データ抽出、解析および要約 |
【バイオインフォマティクス解析】 ※デモデータがありますので、お問合せください。
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本サービスのバイオインフォマティクス解析では、以下のデータを提供します。 |
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FASTAQ 形式の生シークエンスリード |
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各生 FASTQ ファイルのシークエンスクオリティー |
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BAM 形式の Ribo-seq および RNA-seq の各サンプルのトランスクリプトームにマッピングしたリード |
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プロジェクトサマリーレポート |
・ |
データ解析
-QCメタ情報
-トリプレット周期性
-リード長分布図
-Metagene プロファイル
-ヒートマップ
-相関解析
-最も頻発された unmapped リード
-マップされたリードの起源
-RNA 領域起点でのリード長分布
-リードの内訳
-ヌクレオチド構成
-遺伝子レベル、転写産物レベルの情報探索
-マッチングした RNA-seq データに基づく遺伝子レベルの翻訳効率(TE)の算出
-サブコドンプロファイル
-遺伝子発現差解析
-相関遺伝子発現解析(散布図)
-相関的な Ribo-seq と RNA-seq の比較プロット
-主成分分析
-Translated (alternative) ORF の予測
-ポーズ予測
-差分シルエット解析
データ解析は、EIRNA Bio 社独自の EIRNA Bio-Connect にて解析、図の保存が可能です。
※データの保存期間は90日間となります。保存期間を超えますとデータ保存料、システム利用料が発生します。 |
【データ例】
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・サブコドンプロファイル
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サブコドン分解能のリボソームプロファイルは、単一遺伝子の転写物、またはバッチダウンロード機能を使用して1000個の遺伝子について生成することができます。
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・遺伝子発現差解析
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興味のある遺伝子は、ハイライト表示することができ、散布図中の位置を見つけやすくなり、遺伝子発現差解析結果の予測も容易になります。各データポイントは遺伝子を表し、マウスオーバーすることで、Ribo-seq
および RNA-seq レベルでの log2 倍変化などの個々の遺伝子統計を提供できます(図1)。また、プロットから直接、目的の遺伝子について正規化した
comparison plot を作成することができます(図2)。
図1
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図2
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・Translated(alternative) ORF の予測
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uORF を含む翻訳 ORF を予測するアルゴリズムが利用可能です。出力はスプレッドシート形式で、RPF がリーディングフレームアライメントによって定義されるサブコドンプロファイルを生成するためのリンクがあります。選択された遺伝子について、翻訳された代替
ORF がハイライトされています。
予測された ORF のアミノ酸配列は、質量分析(MS)ベースのプロテオミクスに使用できるデータベースとして、スプレッドシート形式でダウンロード可能です。
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サンプル条件
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本解析は、浮遊細胞、接着細胞、組織サンプルを凍結し、ご準備ください。
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細胞の場合、1.0 x 107 cells/sample 以上をご準備ください。
※細胞によって必要細胞数が異なりますので、詳細は弊社までお問合せください。
※浮遊細胞並びに接着細胞でご提出いただく場合、EIRNA Bio社指定の前処理がございます。
ご準備の際は、弊社までお問合せください。
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・ |
組織サンプルの場合、液体窒素にて凍結した組織サンプル100mg以上をご用意頂き、1.5mLまたは2mLチューブに入れ、ドライアイス詰めの冷凍便で弊社までご発送ください。組織サンプルが大きい場合、15mL遠心管にてご準備ください。 |
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価格
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本解析は、12サンプル単位での受付となります。
サービス名 |
税別価格/サンプル |
Cat.# |
Ribosome Profiling 受託解析サービス |
お問合せ |
F-EIB-RBS-(サンプル数) |
※海外提携先への解析用サンプルの輸送費が別途必要となります。 |
ご注意事項
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1. |
解析サービスに関して
本サービスの解析は、弊社の海外業務提携先(EIRNA Bio社)にて実施されます。 |
2. |
解析に利用する製品に関して
本サービスの仕様は、事前の予告なく変更される場合があります。 |
3. |
お見積りに関して
正式なお見積書は、直接販売の場合には直接ご提出いたしますが、代理店経由の場合は代理店よりご提出させて頂きます。 |
4. |
サンプルの送付および取り扱いに関して
4.1 |
サンプルのご発送は、必ず、サンプル送付方法およびご注意点(PDF)の内容に従ってください。送付の際は、チューブをパラフィルムで覆い、キャップの緩みや中身の漏れが起きない様にしてください。サンプルの入ったチューブには、油性マジックでサンプル名を明記し、ビニールバッグ等に入れてください。RNAサンプルは、十分量の砕いたドライアイスとともに梱包し、クール便でお送りください。 |
4.2 |
サンプルは、なるべく休日をはさまない様に、弊社営業時間内(土日祝日、年末年始等を除く、平日9時~18時)に到着する様にご発送ください。なお、ご発送時の送料はお客様負担となります。着払いでは受け取りできませんので、予めご注意ください。 |
4.3 |
サンプル送付の際は、受託解析サービスQCシート(Word)および免責事項同意書を同封してください。これらが同封されていない、または記入漏れがある場合、解析サービスに着手できませんので、ご注意ください。 |
4.4 |
ご送付いただいたRNAの品質チェックの結果、解析に必要な量が不足または低品質であった場合、サンプルの再送をお願いする場合があります。なお、再度サンプルをお送り頂く場合、業務提携先への再送料金をご負担いただきます。 |
4.5 |
弊社に起因しない(国内および国際輸送時など)サンプル喪失等に対する補償・保険制度はありませんので、貴重なサンプルをご提供頂く際はご注意ください。 |
4.6 |
お預かりできるサンプルは、BSL2(バイオセーフティレベル2)までのものに限られます。感染性が著しく高いサンプル(HIV、HCV、HBVウイルス)に感染していることが確認されている患者由来の検体など)は、お預かりできませんので、予めご了承ください。ヒト臨床サンプルの場合、インフォームドコンセントを得てからご提供ください。 |
4.7 |
ご提供頂いたサンプルの返却は致しておりません。(サンプルは解析終了時に破棄されます。) |
4.8 |
本確認事項を満たさない事で別途費用が発生した場合、お客様に費用のご負担をお願いすることがあります。 |
4.9 |
サンプル・業務などから生じた知的財産権・工業所有権・安全性・インフォームドコンセント等の問題については、弊社は一切の責任を負わないものとします。 |
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5. |
キャンセルに関して
本サービスは、海外での解析という性質上、キャンセルをお引き受けできません。やむを得ない理由でキャンセルされる場合、それまでの工程に応じた料金を請求いたします。 |
6. |
納品物に関して
納品物は、代理店経由でのお取引の場合、基本的に代理店を介してお送りします。
納品データのバックアップは、必ずお客様にてお取りください。弊社でのデータ保管期間は、発送日から90日間です。弊社での保管期間を経過したデータは、破棄されます。 |
本ページは、EIRNA Bio 社のホームページに掲載されている情報や画像を一部引用しています。
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