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Arraystar社 次世代シークエンス(NGS)
m3C-HAC-seq 受託解析サービス

Arraystar社(アメリカ)との業務提携による本サービスは、tRNA 修飾プロファイリングを行います。tRNA m3C 修飾を単一ヌクレオチド解像度でトランスクリプトーム全体にマッピングし、m3C 部位の同定と定量的にプロファイリングを行います。


tRNA m3C 修飾とは?

1963 年に初めて同定された N3-メチルシチジン(m3C)は、アンチコドンループの 32 位に存在する。真核生物の tRNASer、tRNAThr、および tRNAArg に見られる保存された tRNA 修飾です。この修飾は、翻訳と細胞生理の重要な調節因子として機能します。ミトコンドリアにおいて、tRNAThr/Ser(UCN) 上の METTL8 依存性 m3C は、タンパク質合成、呼吸活性、および神経幹細胞の維持に不可欠です[1]。tRNA-Ser-GCT 上の METTL2A/2B/6 によって媒介される細胞質内の m3C32 は、AGU コドンの効率的な解読を促進し、細胞周期および DNA 修復の調節因子の翻訳を促進します[2]。翻訳以外にも、m3C は疾患や発生において重要な役割を担っています。DALRD3 依存性の tRNA-Arg 修飾は神経機能に不可欠であり[3]、その一方で METTL6 を介した tRNA-Ser の修飾は多能性および腫瘍形成を支えています[4]。さらに、核内の METTLL8 はそのメチルトランスフェラーゼ活性を通じて R ループを安定化させ、tRNA の m3C 修飾機構とゲノム組織化を結びつけています[5]。

【References】
1. Zhang F et al: Epitranscriptomic regulation of cortical neurogenesis via Mettl8-dependent mitochondrial tRNA m(3)C modification. Cell Stem Cell 2023, 30(3):300-311 e311.[PMID: 36764294]
2. Cui J et al: m(3)C32 tRNA modification controls serine codon-biased mRNA translation, cell cycle, and DNA-damage response. Nat Commun 2024, 15(1):5775.[PMID: 38982125]
3. Lentini JM et al: DALRD3 encodes a protein mutated in epileptic encephalopathy that targets arginine tRNAs for 3-methylcytosine modification. Nat Commun 2020, 11(1):2510.[PMID: 32427860]
4. Ignatova VV et al: METTL6 is a tRNA m(3)C methyltransferase that regulates pluripotency and tumor cell growth. Sci Adv 2020, 6(35):eaaz4551.[PMID: 32923617]
5. Zhang LH et al: The SUMOylated METTL8 Induces R-loop and Tumorigenesis via m3C. iScience 2020, 23(3):100968.[PMID: 32199293]


概要

HAC-Seq (Hydrazine-Aniline Cleavage Sequencing) は、tRNA の m3C 修飾を単一ヌクレオチド解像度でトランスクリプトーム全体にわたってマッピングするためのシークエンシング技術です。m3C は、tRNA の構造維持、デコーディング精度、および翻訳効率の保持に重要な役割を果たします。m3C 関連酵素の調節異常や tRNA m3C 修飾異常は、肝細胞癌や乳癌などの癌における腫瘍の進行や転移、ならびに神経疾患やミトコンドリア病と関連付けられています。m3C HAC-seq は、選択的ヒドラジン-アニリン化学切断、次世代シークエンシング、およびバイオインフォマティクス解析を組み合わせることで、エピトランスクリプトミクス研究のための tRNA m3C メチロームの正確かつ定量的なプロファイリングを可能にします。


特長


単一ヌクレオチド解像度: m3C 部位を 1 塩基レベルの精度で正確にマッピングします。
化学的特異性:
抗体親和性に依存せず、高い特異性を持つ化学反応を利用するため、非特異的結合によるバックグラウンドを排除し、修飾の定量的な化学量論的評価を可能にします。
信頼性の高い部位同定:
m3C 脱メチル化サンプルをコントロールとして組み込み、特異的な切断シグナルの誘導が脱メチル化により消失することを確認することで、擬陽性を排除します。
包括的な tRNA エピトランスクリプトーム解析: 修飾部位、メチル化レベル、tRNA 発現を同時に解析します。
包括的な解析:
m3C 部位の同定と修飾に関連する配列モチーフの発見を同時に行うことができます。


解析の流れ


本サービスは、Total RNA ~データ解析までのフルパッケージとなっています。



図1.m3C HAC-seq ワークフロー
単離した tRNA をヒドラジンとアニリンで処理(HAC)し、m3C 部位で RNA 骨格を切断した。特異性を確認するため、サンプルを HAC 処理前に脱メチル化酵素で処理(DM-HAC)し、m3C 修飾を除去した。HAC によって生成された 5' 断片にはアダプターライゲーションを妨げる損傷した 3' 末端が含まれているため、シークエンス解析では全長と 3' 末端切断断片のみが捕捉される。したがって、切断率を計算することで m3C 部位を単一ヌクレオチド分解能で同定した。

【解析ワークフロー】
1. Total RNA サンプルの受け取り
2. Total RNA の QC チェック: 濃度、純度、完全性(分解度)
3. tRNA の単離
4. 2つに分け、一方を rtStar tRNA Pretreatment Kit (Arraystar, Cat.No,AS-FS-004)にて脱メチル化処理
5. 脱メチル化処理済みおよび未処理 tRNA を m3C 部位でヒドラジン-アニリンによる切断
6. シークエンスライブラリー調製およびQC
7. Illumina プラットフォームによるシークエンシング(SE100, 10M reads for treated and untreated samples respectively)
8. データ抽出、解析および要約

【バイオインフォマティクス解析】
本サービスのバイオインフォマティクス解析では、以下のデータを提供します。
サンプル QC 結果
FASTQ 形式のシークエンスデータ(Clean reads および Trimmed reads)
データ解析:
- シークエンスデータの QC
- tRNA 参照データベースへのリードマッピングとアライメント
- adaptor-trimmed reads の長さ分布
- tRNA m3C 修飾部位の同定と修飾レベルの定量化、および tRNA アノテーション: 長さ、配列、コドン
- m3C 修飾部位のモチーフ解析
- m3C 修飾差解析
- 変動 m3C 修飾部位のヒートマップ
- 変動 m3C 修飾部位の散布図
- 変動 m3C 修飾部位のボルケーノプロット(生物学的複製がある場合)
- ミスマッチ率を用いて定量化された tRNA m1A/m3C/m1G/m2,2G の修飾部位レベル
- m1A/m3C/m1G/m2,2G の差次的修飾部位解析
- m1A/m3C/m1G/m2,2G の差次的修飾部位のヒートマッププロット
- m1A/m3C/m1G/m2,2G の差次的修飾部位の散布図
- m1A/m3C/m1G/m2,2G の差次的修飾部位のボルケーノプロット(生物学的複製がある場合)
プロジェクトサマリーレポート

【データ例】

異なる tRNA 上の m3C32 部位周辺のリードアライメントの IGV 表示


m3C 修飾 tRNA の配列モチーフ解析


サンプル条件


品質条件 詳細
対象生物種 GtRNAdb* に登録されている全生物
*GtRNAdb: Genomic tRNA Database: https://gtrnadb.ucsc.edu/

その他生物種については、tRNA 配列をお持ちの場合、配列ファイルをお送りください。
対応の可否を確認いたします。
サンプルタイプ Total RNA
精製方法 ・標準的な TRIzol/RNA 沈殿法
・small RNA 精製キット
miRNA、piRNA、tRNA、tRF/tiRNA、circRNA などの small RNA クラス(サイズが 200nt 未満)を含むプロジェクトの場合は、キットの抽出物に small RNA が含まれていることを確認してください。(例:QIAGEN miRNeasy)
必要量 推奨量:>20μg   最少量:>10μg
濃度(Nanodropに基づく) >20ng/μL
純度(Nanodropに基づく) O.D.260/280:>1.7~2.0
O.D.260/230:>1.8
RNA Integrity ・ホルムアルデヒド変性 1% アガロース電気泳動:
18S および 28S rRNA のシャープなバンドが確認でき、28S および 18S rRNA のバンド強度比が 2:1 程度であること。
・BioAnalyzer: RIN>7.0

※血清、血漿、エクソソームおよび FFPE など、分解や断片化され品質低下がよく知られているサンプルに由来する RNA については、解析結果の品質が低い可能性があります。お客様の同意があれば、ご提供頂いたサンプルで解析を行うことは可能ですが、データ品質が悪い、あるいはデータが取得できない可能性もあり、データ取得の保証ができませんので、予めご注意ください。
DNase、RNase フリーの 1.5ml または 2ml マイクロチューブを使用してください(スクリューキャップ式を推奨)
ヌクレアーゼフリーの分子生物学グレードの水に溶解し、-80℃で保存してください。
サンプルは DNase 処理を行うことを推奨いたします。


価格

サービス名 税別価格 カタログ#
m3C HAC-seq 受託解析サービス ¥338,000 F-AS-HACseq-[サンプル数]
1 サンプルの解析料金です。海外提携先への送料が別途必要になります。


ご注意事項(必ずご確認ください)

1. 解析サービスに関して
本サービスの解析は、弊社の海外業務提携先(Arraystar社)にて実施されます。
2. 解析に利用する製品に関して
本サービスの仕様は、事前の予告なく変更される場合があります。
3. お見積りに関して
正式なお見積書は、直接販売の場合には直接ご提出いたしますが、代理店経由の場合は代理店よりご提出させて頂きます。
4. サンプルの送付および取り扱いに関して
4.1 サンプルのご発送は、必ず、サンプル送付方法およびご注意点(PDF)の内容に従ってください。送付の際は、チューブをパラフィルムで覆い、キャップの緩みや中身の漏れがおきない様にしてください。サンプルの入ったチューブには、油性マジックでサンプル名を明記し、ビニールバッグ等に入れてください。RNAサンプルは、十分量の砕いたドライアイスとともに梱包し、クール便でお送りください。
4.2 サンプルは、なるべく休日をはさまない様に、弊社営業時間内(土日祝日、年末年始等を除く、平日9時~18時)に到着する様にご発送ください。なお、ご発送時の送料はお客様負担となります。着払いでは受け取りできませんので、あらかじめご注意ください。
4.3 サンプル送付の際は、受託解析サービスQCシートおよび免責事項同意書を同封してください。これらが同封されていない、または記入漏れがある場合、解析サービスに着手できませんので、ご注意ください。
4.4 ご送付いただいた RNA の品質チェックの結果、解析に必要な量が不足または低品質であった場合、サンプルの再送をお願いする場合があります。なお、再度サンプルをお送り頂く場合、業務提携先への再送料金をご負担いただきます。
4.5 弊社に起因しない(国内および国際輸送時など)サンプル喪失等に対する補償・保険制度はありませんので、貴重なサンプルをご提供頂く際はご注意ください。
4.6 お預かりできるサンプルは、BSL2(バイオセーフティーレベル2)までのものに限られます。感染性が著しく高いサンプル(HIV、HCV、HBVウイルスなどに感染している検体など)は、お預かりできません。ヒト臨床サンプルの場合、インフォームドコンセントを得てからご提供ください。
3.7 ご提供頂いたサンプルの返却は致しておりません。(サンプルは解析終了時に破棄されます。)
3.8 本確認事項を満たさない事で別途費用が発生した場合、お客様に費用のご負担をお願いすることがあります。
3.9 サンプル・業務等から生じた知的財産権・工業所有権・安全性・インフォームドコンセント等の問題については、弊社は一切の責任を負わないものとします。
4. キャンセルに関して
本サービスは、海外での解析という性質上、サンプル受領後のキャンセルはお引き受けできません。やむを得ない理由でキャンセルされる場合、それまでの工程に応じた料金を請求いたします。
5. 納品物に関して
納品物は、代理店経由でのお取引の場合、基本的に代理店を介してお送りします。
納品データのバックアップは、必ずお客様にてお取りください。弊社でのデータ保管期間は、発送日から90日間です。弊社での保管期間を経過したデータは、破棄されます。


本ページは、Arraystar社のホームページに掲載されている情報や画像を一部引用しています。
【お問合せ】
受託解析部
Phone 052-624-4388

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